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エイズは完治する?治らないと言われる理由と世界で確認された完治事例

エイズは現在では一度発症すると死ぬのを待つだけの病ではなく、治療で症状をコントロールできる時代になりました。その主な理由は抗レトロウイルス薬が複数種類が開発実用化され、それらの数種類を組み合わせた多剤併用療法の進歩により、ウイルス量を大きく減らせることが可能になり深刻な合併症の発症を制御できるようになったからです。しかし、治療法の進歩にも関わらず、エイズを完治させることは依然、困難と考えられています。その理由はエイズウイルスは、事故の遺伝情報を非活性化した形で宿主の細胞に潜り込ませると言う特異な性質を持つことと、頻繁に突然変異を繰り返すので、抗ウイルス薬に耐性を示すウイルスが一定数残存するためです。ところが最近で世界でエイズウイルスが根絶され、完治されたとみられる症例が報告され注目を集めています。これまでにエイズが完治されたと推測されている症例は2例確認されており、いずれも造血器のガンか白血病の治療中に幹細胞移植を受けた結果、ウイルスが検知できないレベルになって長期間経過している点で共通しています。

2020年に報告されたイギリスの症例は、2003年にHIV陽性と診断され、2012年には悪性リンパ腫の一種のホジキンリンパ腫と診断された履歴を持っているそう。2016年には、この感染症の原因ウイルスのHIVに対する耐性を持つ提供者の幹細胞を移植された結果、18ヶ月にわたりリンパ腫は縮小を続け、HIVも減少を続けもはや血液検査では検出できないレベルに減少したとのことです。ちなみに10年前にエイズが完治されたとみられる患者も同様に、急性白血病の治療の為にHIV耐性をもつ提供者の幹細胞移植を受けています。

完治されたとみられることのメカニズムは、特定のたんぱく質の存在にあると推測されています。HIVは体内に侵入するときには、OCR5というたんぱく質と結合して侵入に成功するわけです。ところが極少数の人々の体内のOCR5が突然変異を起こしており、仮にHIVが侵入してきても、OCR5と結合することが出来ずに感染に失敗します。今回のエイズが完治した症例にあっても、この突然変異をきたしたOCR5たんぱく質を有する提供者の遺伝情報を幹細胞移植で獲得した結果、エイズが完治したと推測されているのです。もっともこの治療は例外的な事例に試みられたもので、一般化できるのではありません。しかしながらエイズ完治可能な治療の可能性を明らかにしたことで高く評価されています。